名作「マイ・フェア・レディ」から英語フレーズと映画に登場するコックニーアクセントについて紹介します。「ローマの休日」「ティファニーで朝食を」などで知られる大女優オードリー・ヘップバーンの代表作の一つとなっています。
ところで、皆さんはオードリーについてどんなイメージを持っていますか?とても上品なイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。少なくとも僕はこの映画を観るまでは、そう思っていました。
でも、この映画では下町由来のコックニーという汚いアクセントを話しながら反抗的な態度の娘という世間のイメージとは正反対の役柄を演じており、良い意味ですごく衝撃的で、彼女にもこんなお茶目な一面があったのか、驚かされました。もちろん、役の中での話ですが・・・
では、映画の簡単な紹介とコックニーアクセント、英語フレーズについて解説していきます。
「マイ・フェア・レディ」ってどんな映画?
オードリー・ヘプバーンが主演で1964年に公開されたミュージカル映画で、アカデミー作品賞にも輝いた歴史に残る作品となっています。
内容は、ロンドンの下町で花売りとして生計を立てているイライザが苦しい生活から抜け出すために、自分の野暮なアクセント(コックニー)を直してイギリスの上品なレディになるために言語学のヒギンズ教授の下で、発音矯正に取り組むというものです。
イライザとヒギンズ教授のかみ合わなさが非常にコミカルさを演出しています。
ここで、イライザが話していたコックニーアクセントについて簡単に紹介したい思います。
ロンドン下町アクセントのコックニーって?
コックニーとはロンドンの一部の労働層のみで使われるアクセントで、発音に強い特徴を持っています。日本では、イギリス英語は一つのアクセントとしてとらえられがちですが、実際イギリスには多くのアクセントが存在し、それぞれ大きく特徴が異なります。
なかでも、今回紹介するコックニーアクセントは特に理解するのが難しいといわれています。発音も違うければ、コックニーだけで使われる表現があったりと、英語がネイティブであっても聞いたことがなければほとんど理解できないぐらいです。
ではせっかくなので、具体的なコックニーの発音の特徴を紹介します。
・"a"の発音が"ai"となる。
この映画で、一番有名なフレーズに
"The rain in Spain stays mainly in the plain(スペインの雨は主に平原に降る)"
というフレーズがあるのですが、これをイライザは「ザ・ライン・イン・ザ・スパイン・スタイズ・マンリー・イン・ザ・プライン」と発音しています。これは、"a"のスペルをすべて「アイ」と発音する典型的なコックニーアクセントの特徴です。
ちなみに、オーストラリアで"today"のことを「トゥダイ」と発音するというのも聞いたことがあるかもしれませんが、このコックニーアクセントが由来となっているためです。
・Hを発音しない
イライザに用意された2つ目の課題文である"In Hartford, Hereford and Hampshire hurricanes hardly ever happen"では、すべてHのサウンドを脱落して発音してしまいます。これもコックニーの代表的な特徴の1つとなります。
ただ、Hを発音しないというのは実はコックニーアクセントだけでなく、他のイギリスアクセントやhを発音しないヨーロッパ言語が母国語の人たちにもみられる特徴となっています。
他にも、いつかコックニーアクセントの特徴はありますが、代表的なところを紹介してみました。
では、最後にセリフからフレーズを見てきましょう。
フレーズ紹介
I don't mind if I do
「では、遠慮なく」
普段の日常会話ではそこまで聞く表現ではありませんが、相手の提案に対して"YES"と丁寧に答えるときに使えるフレーズです。食事を出されたときに使うことが多いようです。
Now you're talking
「そうこうなくちゃ」
直訳どおり「今あなたは話している」という意味ではなく、「そうこなくっちゃ」という意味になります。相手が何か渋っていたけど最終的にこちらが望むような決断をした時に使われることが多いと思います。
Just you wait
「見ときなさいよ」
これはイライザが何度も繰り返すフレーズで、「ジャスユーワイト」と先ほど紹介したバリバリのコックニーが使われています。もちろん正しい発音は「ジャスユーウェイト」となります。
意味は「見とけよ」といった風に、相手を見返そうと考えているときに使うフレーズです。"Just"が文頭に来る決まり文句となっています。
では、今回はここまでとなります。同じくコックニーが使われている「時計じかけのオレンジ」について記事も書いているので、気になった方はチェックしてみてください。