デヴィッド・リンチ監督「マルホランド・ドライブ」を紹介します。今まで2000本以上の映画を観てきましたが、中でもこの作品はまさに映画の中の映画という感じでとても見ごたえのある作品になっています。
では、詳しい映画の紹介しながら、最後にはセリフから英語フレーズも紹介していきます。
マルホランド・ドライブってどんな映画?
まず、タイトルの由来はロサンゼルス近郊のある実在する道の名前から来ています。ドライブと聞くと車の映画を想像するかもしれませんが、実際はハリウッドの闇を描いた作品となっています。
メインとなる登場人物はハリウッドで有名女優になる夢描きロサンゼルスにやってきたベティーと交通事故に巻き込まれ、記憶喪失になってしまったリタ。
ひょんなことから二人は共同生活することになり、ベティはリタの記憶を取り戻すために協力していきます。
ここまで、聞くとなんら他の映画と変わりないように聞こえますが、
この映画にはメインのストーリーとは別に様々なシチュエーションが盛り込まれていたり、後半からストーリーが一転したりと一度観ただけでは、すべての伏線を回収できない複雑な構成となっています。
現実と理想の乖離が上手く描かれている
この映画では、現実の世界と理想の世界のギャップが絶妙に描かれています。ただ先ほどもいったように一度見ただけでは、一体何が現実で、何が理想なのかはわかりにくい設定となっています。
ただ、場面ごとに出てくる伏線を意識しながら観ることが出来れば、どこからが現実でどこからが理想なのか判断することができると思います。
ハリウッドの闇が見える
冒頭で、映画の中の映画といったのは比喩でもありますが、実際に映画の本場ハリウッドが舞台になっていることからも、映画製作の裏側を感じることができると思います。
そこには、夢だけでなく、嫉妬や金にまみれた世界が存在しており、ハリウッドの闇の部分が描かれています。
なぜ映画好きにすすめるのか
映画を観る楽しみには、2種類があると個人的に思っており、それはただ映画を観てその場を楽しむもの、そして映画を観た後にストーリー描写の意図を考察を楽しむもの、の2つがあると思います。
映画好きであれば、後者のように映画を観た後に「あのシーンは○○だった。」「いや、あのシーンは△△を意味しているんだ」といった感じで語りたくなることがあるのではないでしょうか。
そういった観点と、この映画のプロット(伏線)の多さ、ストーリー整合性の高さから、映画好きの人に是非おすすめしたい作品となっています。
では、そろそろフレーズを紹介していきます。
フレーズ紹介
Until I know them inside out
「完璧にセリフを覚えるまで」
"know somthing inside out"で「何かを知り尽くす」「何か熟知する」という意味になります。この文の前文では"line"「セリフ」について言っていたので、"them"は「セリフ」のことを指します。
Do you feel up to it?
「それやってみたくない」
”feel up to it”で「乗り気になる」という意味で、"feel like doing it"と似たニュアンスを持っています。ちなみに"feel up"だけだと「女性の体をまさぐる」という非常にネガティブな意味になります。
I've been trying to get a hold of you
「あなたに連絡を取ろうとしてたんだけど」
”get a hold”で「連絡を取る」「手に入れる」という意味があります。似たフレーズで"keep(get) in touch"もあり、こちらはより頻繁に使われる表現となっています。
では、今回はここまでとなります。