映画「ロック、ストック&トゥースモーキングバレルズ」の紹介とセリフから英語フレーズを紹介。また、この長い映画タイトル「Lock Stock & Two Smoking Barrels」の意味についても詳しく解説します。

 

では、まず簡単に映画紹介から。


ロックストックトゥースモーキングバレルズってどんな映画?

 

1998年にイギリスで公開された作品で、イギリスではその年の年間興行成績1位に輝きました(Wikipedia)。監督のガイ・リッチーはこの作品のヒットで一気に人気映画監督となります(のちに音楽界のスター"マドンナ"とも結婚)。

 

内容としては、犯罪まがいで食いつないでいる若者がいかさまギャンブルに負けて作った借金を工面するために犯罪集団から金を強奪するというものです。出てくる人物がどうしもないやつや悪人ばっかり、でもどこか抜けている感があり憎めない。

 

個人的にはタランティーノの作品を万人受けするようにポップにした感じがします。

 

元々は無関係だった男たちが徐々に金をめぐって、交錯していくあたりが痛快です。登場人物が多い割にはわかりやすいストーリーになっていると思います。

 

Lock Stock & Two Smoking Barrelsの意味とは?

 

ところで、この長ったらしいタイトルの意味をご存じでしょうか。

 

タイトルに使われている単語はすべて映画に出てくる銃のことを指しています。

 

"lock"とは、銃の持ち手を中心に銃の後ろの部分を指し、"stock"は引き金部分、"barrel"は弾丸が通る筒の部分を指しています(映画で出てくる銃は"barrel"が2つになっている)。"smoking"は文字通り煙が出ているという意味で、銃を撃ったあとに出てくる煙のことを指しています。

 

ここまで説明したところで、なんでこの銃の説明が映画のタイトルになったんだ?と思うと思います。

 

これには"lock, stock and barrel(全部という意味になる)"という元々あるイディオムが掛かっています。さらに、この映画では頻繁に出てくる"金"や"薬物"がそれぞれスラングで、"lock""stock"ということも関係しているようです。

 

バリバリのコックニー映画

 

このブログでは今まで、イギリスの下町アクセントであるコックニー(昔犯罪集団が警察を欺くためにわざとわかりにくい話し方をしていたともいわれている)が使われた映画をいくつか紹介してきましたが、本作でもいたるところでこの訛りを聞くことができます。標準的なイギリス英語しか聞いたことがなければ、おそらくこの訛りを理解するのは至難の業だと思います。

 

監督のガイリッチー自身もコックニーアクセントで喋っています。

 

 

 

イギリスにも標準語と関西弁?!

 

上記紹介したようにイギリスにはたくさんのアクセントがあることが知られていますが、アクセントにまつわる話で面白い表現がセリフで2つ出てきたので、それも紹介します。

 

"northern monkeys (北の猿)"

"southern fairies (南の妖精)"

 

これは、ざっくりイギリス南部(ロンドンなど)の無駄に上品な振る舞いとイギリス北部(リバプールやマンチェスターかな)のやや横暴な態度言動を互いに皮肉った表現として知られています。日本でいう標準語 (関東弁)がナヨナヨして、関西弁が荒々しく聞こえるような感じでしょうか。

 

イギリスのロックバンド"Arctic Monkeys(北極の猿)"のバンド名もここからヒントを得て付けられたのではないでしょうか。ちなみに彼らの出身はイギリス中部にあるシェフィールドですが、喋り方は北部のなまりに非常に近いです。

 

では、最後にセリフから英語フレーズを紹介。

 

英語フレーズ紹介

It's a steal

「超お買い得」

"a steal"とは”「超お買い得品」という意味になります。ここでは「盗品(steal)」という意味ではありませんが、この映画の主人公は盗みを働き生活していることから、ある意味本当に盗品という意味でも取れなくもないです(笑)

 

お買い得品を見たり買ったときは是非使ってみてください。

 

 

Could you just be a little more subtle?

「もうちょっと上手くやれないか?」

"subtle"は辞書では「微妙な」という訳が一番に出てきますが、現在の日本語で使われている"微妙"は「あまり良くない」という意味で使われることが多く、subtle=微妙で覚えていると英文のニュアンスが理解できない場合が多い思います。

 

実際は「さりげなく」「ぎりぎりわかるかわらないぐらい」という意味で使われていることが多いと思います。映画では、大麻を栽培する若者の大胆な行動に対してリーダーの男が注意する場面で使われています。

 

Mind your language

「言葉遣いに気をつけろ」

"language"には「言語」という意味以外に「言葉遣い」という意味もあります。子供が汚い言葉を使ったときなどに、親が注意している場面でよく使われます。また、「Language!!」と一言だけ言って注意することもよくあります。

 

 

では、今回はここまでとなります。

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