本年度アカデミー作品賞を獲得したことで日本でも話題の映画「グリーンブック」を観てきたので、その評価と映画の簡単な解説をしていきたいと思います。

 

最後には、セリフから英語フレーズを紹介します。



グリーンブックでどんな映画?

引用元:https://eiga.com

アメリカで製作され本国では2018年に公開され日本では今年の3月より公開がスタートした作品です。この映画はアカデミー3部門を受賞し、映画界で高く評価されています。

 

この映画のタイトルにもなっている"グリーンブック"とは、人種差別が残っていた時代に黒人たちが差別を受けることなく利用できる宿泊施設やガソリンスタンドなどの情報が書かれた黒人のための旅行ガイド本を指します。

 

ストーリーは主にイタリア系白人の用心棒と黒人の天才ピアニストのアメリカ南部へ向かうツアーでの道中におこる差別による出来事を描いたものです。また少しですが、LGBTの要素も含まれています。

 

正直この作品がアカデミーで3部門受賞したのは、差別問題やLGBTなど今なお議論の余地がある内容を描いていたからというのは間違いないでしょう。

 

あらすじは?

 

人種差別真っ只中のニューヨークで、イタリア系白人のトニーはニューヨークのナイトクラブで用心棒として働いていたが、あるときそのクラブが工事に入ることになり、つなぎの仕事を探すことになります。

 

そんなときに、彼がドライバーの仕事を紹介され面接会場に行くとその雇い主はなんと黒人のピアニスト。彼の名前はドン・シャーリー。なんでも、ツアーに同行する運転手兼世話係をしてほしいとのこと。

 

トニーは、黒人の世話係をすることや報酬面での納得できず仕事のオファーを一度断ることになります。

 

その後、妻への説得や報酬面でも納得し黒人ピアニストの運転手兼用心棒に雇われることになりました。

 

ただ、トニーの喧嘩っぽさや汚い言葉遣いからドンから注意を受けることもしばしば、もともと黒人に対して差別感情があったことからも少しぎくしゃくした関係が続きます。

 

しかし、ドンのピアノ演奏やツアー各地でドンに対しての差別を目の当たりにし、トニーは徐々に彼に心を開いていくようになります。

 

白人と黒人の対比が興味深い

 

この映画のおもしろいところは、なんといっても人種差別のあった時代にもかかわらず黒人に雇われる白人という構図です。もし、これが逆で白人のピアニストに黒人の運転手であれば映画としては成り立たないでしょう。

 

この映画では、色んな場面で黒人であるドンだけが理不尽な差別被害を受けます。

 

なかでも、印象的なのは最後のツアー場所で演奏者であるにも関わらずにレストランで食事をすることが許されず、物置部屋に案内されるシーンです。

 

ここでクラブの従業員は、個人的な差別ではなく、地域の決まりだから仕方ないといっています。今でこそ、当たり前のように黒人を差別してはいけないといわれていますが、この時代は法律で定められており多くの人がただ、そのルールに従っていただけではないでしょうか。

 

現代を生きる人たちでも、この時代に白人として生まれていれば多くの人が何の疑問もなく差別制度を受け入れていたのではないでしょうか。

 

LGBTの生きづらさ

 

この映画には、黒人差別に加えてLGBTに対しての差別も描かれています。

 

映画内のシーンとしては、その背景が明らかに読み取れるのは1シーンしかないのですが、映画内で度々ドンが思い詰めていた原因の一つとしては大きなものであったのは間違いないでしょう。

 

加えて黒人富裕層という希有な立場から、黒人からも白人からも異質扱いされ、ますます彼が孤独を感じてしまいます。

 

白人目線でしかない

 

この映画の脚本には、トニーの実の息子が携わっておりいわばトニー目線で描かれた作品となっています。

 

トニー自身元々黒人に対して差別感情があったが、それが次第に親しくなるにつれて友情へと・・・というのはあくまで白人であるトニーが思っていただけではないかとも思いました。

 

他にも差別問題を取り上げた映画はありますが、白人と黒人の友情を描いた作品は白人目線のものが多い気がします。

 

少し極端ではありますが、黒人たちを差別しない「おれたち白人やさしいだろ?」とこれもある意味、白人万歳ともとれる気もします。

 

ただ、勿論映画としては2人の関係性の変化は魅力的ですし、観終わった後の爽快感はそれなりにあります。少なくとも映画館に観に行って後悔する映画ではないことは自信を持って言えます。

 

 

では、そろそろセリフからフレーズの紹介にいきたいと思います。

 

英語フレーズの紹介

Thank you for stopping by

「来てくれて悪かったな」

"stop by”で「立ち寄る」という意味になります。比較的日常会話でもよく使われる表現で、TOEICにもよくでてくる表現です。

 

Get your hands off

「手を離せ」

これは、相手が手で体を掴んだときに言うフレーズです。意外と「手を離せ」という英語が咄嗟に出てくる人は少ないと思います。それはおそらく、”get”が使役動詞として使われているからではないでしょうか。

 

日本人には使役動詞を会話で使うのは結構難しいので、文構造で意味を理解するよりもフレーズでまるまる意味を覚えることをおすすめします。この表現が自然に出てくるとかなりネイティブ感が出ると思います。

 

 

では、今回はここまでとなります。