今回は、映画界の巨匠クリントイーストウッドが監督・主演をした「グラン・トリノ」を紹介します。作品のタイトルはアメリカの自動車メーカー・フォードのグラントリノからきています。
クリントイーストの作品はアメリカ社会を切り込んだものが多く、単にストーリーを楽しむだけでなく、アメリカという国のダークな一面を知ることができます。では映画の内容と併せて、最後にセリフから英語フレーズを紹介していきます。
「グラン・トリノ」はどんな映画?
引用元:https://godtv.com/
2008年に公開されたアメリカ映画で、冒頭でも触れたようにクリント・イーストウッドが監督・主演をしています。この映画は興行収入、評価ともに高く映画好きであればほとんどに人が観ていると言っても過言ではないぐらいの良作です。
映画の内容としては、アメリカの田舎に住むある老人の話なんですが、その老人が根っからの頑固おやじで、周りの人はおろか自分の子供たちやその家族とも打ち解けることができない。喋り相手と言えば、愛犬デイジーとごく限られた友人のみ。
そんな彼が妻をなくしたことをきっかけに、周りの人と接するようになり、徐々に彼らに心を開いていく。
ただ、そんな中ギャングとの揉め事に巻き込まれることになり、ストーリーは急展開。
といった内容の作品になっています。
人種差別のオンパレード
この作品では、人種差別というテーマもあり、多くのシーンで他の人種を罵倒するシーンが見られます。
黒人や黄色人種のみならず、移民してきた白人まで、そう考えてみればアメリカ国民の全員が人種差別の対象になる可能性を示唆しているように感じました。
主人公であるコワルスキー自身もポーランドから移民という設定であり、主要な登場人物はそれぞれの人種アイデンティティーを持っています。
日本社会は、99%以上が日本人で構成されているので、他の人種を生活の中で認識することは少ないですが、アメリカでは多くの人種が共存していることから他人が異なっていることは何も不思議なことではありません。
ただこの映画でも描かれているように、今なおそれぞれ人種のコミュニティを形成しており、人種差別は根付く残っていることが感じさせられます。
勿論映画なので、多少の誇張はあるにしても、ある程度事実に基づいている部分もあると思います。
では、英語フレーズの紹介にいきたいと思います。
フレーズ紹介
Son of a bitch
「クソ野郎!!」
この表現は映画やドラマではよくフレーズで、人を罵倒したりときに使います。また、人に対してだけでなく、単に「クソー」という意味で何かムカついたりしたときにも使えます。
主人公の口癖のようになっており、映画内で何度もこのセリフを言っています。発音は「サンノブア、ビッチ」という感じになります。ただ、見てのとおり汚い表現なので、あまり使うことはおすすめしませんが、知っておいた方がいいとは思います。
You don't wanna know
「お前は知らない方がいい」
これは、主人公のコワルスキーが人を殺したときにどう感じたかと聞かれたときに、言ったセリフで、決して「あなたは知りたくない」という意味ではありません。これは、知ってもいいことはないというアドバイスのような意味になるので、気をつけてください。
"don't wanna=したくない"と思っている人が多いですが、映画やドラマを観ることによって、シーンからこのような正しいニュアンスを掴みとることができます。
Who are you?
「お前、だれ?」
とても簡単ですね。でもニュアンスには気をつけてください。ここで、訳を「あなたは誰ですか」「あなたは誰」と訳さずに「お前、だれ?」としたのはその方がニュアンスが近いからです。
本来、初対面の人には「What's your name?」と言って名前を聞くのが自然な会話の始め方です。
初対面の人に「お前、だれ?」とは聞かないですよね。ただ、突然現れたり失礼な人に対しては使えるフレーズです。なので、普通の英会話教材などでは意外と聞かないフレーズだと思います。