花束を投げる男

 

これは、イギリス出身の覆面アーティスト通称バンクシーの代表的な作品。といってもグラフィティーといって日本語に訳せば「落書き」になります。

 

今回は実際にエルサレムに行って感じたことを踏まえながら、バンクシーについて紹介していきたいと思います。




バンクシーと分離壁

 

分離壁に描かれた彼の作品は、イスラエルの中にあるパレスチナ自治区にあり、この自治区内にあるベツレヘムという街はイエス・キリストの生誕の地としても知られています。

 

パレスチナ自治区とは、ユダヤ人がイスラエルを建国する前からその地に住んでいるパレスチナ人によって統治されている場所です

 

権力や武力の圧倒的力の差によって、パレスチナ側は自治区という形を取らざる負えない状況となっています。

 

 

話を戻して、世界的に活躍をしているバンクシーですが、特にここパレスチナで彼の作品をたくさん見ることができます。それは、おそらく彼のアーティスト活動としての根源が関係しています。

 

彼の作品には、権力社会に対する強い政治的なメッセージが込められています。

 

彼の作品のほとんどは壁に描かれており、その中には分離壁に描かれたものもいくつかあります。

 

分離壁とは、イスラエル政府がパレスチナ人たちを内部に囲い込み自爆テロを未然に防ぐために、建設された壁です。全長はなんと700kmを超えます。

下の写真は自治区内から撮影したものです。

パレスチナとイスラエルの分離壁

これが建設されたことによって、この分離壁内に住む人たち、

 

要するにパレスチナ自治区内に住む人たちは、ここから出る際は検問を通過しないと外に出ることが、できなくなってしまいました。

 

それは外国人であっても一緒で、僕ががここに訪れた際エルサレム中心街からバスで訪れたのですが、(確かベツレヘム行きのバスだったと思う。)

 

自治区内に入る時は何事もなかったのですが、帰りにまたバスに乗って市街地に戻っている際は、検問所で止められパスポートの提示を求められました。

 

自分は外国人だったからか、荷物までは検査されませんでしたが、銃を持った軍人には、強い威圧感がありました

 

おそらくバスの乗客はほとんどパレスチナ人だったと思いますが、みんな荷物を検査されていました。

 

結果的には分離壁が建設されてからテロの数は減っているので、必ずしも分離壁が悪かどうかいえば難しいところですが、もし自分がそこで生まれてそういったことを当たり前に強いられることを考えると、イスラエル政府に対してどう考えるようになるでしょうか。



バンクシーの作品の意味とは

花束を投げる男
ここで、バンクシーの話に戻ろうと思います。まず冒頭に触れた作品では、なにやらギャングみたい男が何かを投げようとしています。

 

それは花束で、投げるなら弾ではなく、花束を。という感じでしょうか。

 

他にもいくつか彼の作品を見てみましょう。

風船を持つ少女と兵士を検査する少女

まず左側の写真、女の子が風船を使って壁を越えようしています。これはいかに壁が高く築かれているかを表しているのでしょうか。

 

右側の写真は、おそらくパレスチナ人の女の子がイスラエル兵の身体検査をしているシーン。イスラエル政府が彼らにいつも行っていることを皮肉っているようです。

 

防弾ジョッキをつけたハト

これは白鳥が銃口を向けられている。武器を持たないパレスチナ人に、攻撃を加えようとしているイスラエル軍をいったところでしょうか。

 

これらすべては、自治内から描かれたものなので、すべてイスラエルに対して批判的なものしかないのですが、これらを見てイスラエル政府が一方的に悪だという発想にはならないでほしいです。

 

皆さんも知っての通り、両者には聖地エルサレムの主権をめぐって度重なる紛争の歴史があり、簡単にどちらがどうだと言うのは賢明ではないと思います。

 

ただこういう現実があるということを知ってもらえたらなと。

 

 

ユダヤ教徒の聖地

 

ここで、エルサレムにある「嘆きの壁」も紹介しようと思います。

嘆きの壁

ここは現地では、ウエスタンウォール「西の壁」と呼ばれています。元々あった神殿の西側の壁がここにあたるため。

 

この場所はユダヤ教徒にとって、非常に神聖とされた神殿の唯一現存する場所ということもあり多くのユダヤ教徒が訪れます。

 

この写真でわかるかどうかわからないですが、積み上げられている一つ一つの石が自体が結構大きく近づいて見てみると、予想より遥かなスケール感でした。壁というより塀。

 

 

あと意外だったのが、ユダヤ教徒の多くの方がお皿のような帽子をつけています。

 

ユダヤ人といえば山高帽を想像していたので意外でした。

ユダヤ人の帽子

引用元:http://www.theweek.co.uk/91775/purim-2018-what-is-purim-and-how-is-it-celebrated

 

 

世界で活躍するユダヤ人

 

ところで、皆さんは有名なユダヤ人を知っていますか。

 

よく知られているのは映画監督のスティーブンスピルバーグ他にも科学者アインシュタインや財閥として知られるロスチャイルド家の人々女優のナタリーポートマンもエルサレム生まれの生粋のユダヤ人。

 

意外なところでは、歌手のボブ・ディランサイモンアンドガーファンクルなども。現地で滞在していたホテルですごくかかっていたので、もしやと思って調べたらそうでした。みなさんそれぞれの分野で多大な成功をされていますね。

 

 

イスラエルの治安って?

 

それから治安面に関してですが、イスラエルというと多くの方が危ないというイメージを持ってるかもしれませんが、実際には、全く危険を感じることはなかったです。

 

というのも、街中のそこかしこにイスラエル軍人がいるので、一定の治安が保たれています。これは旅行者にとっては非常にありがたいですね。

 

ただ、入国審査や出国時の質問は厳しく、30分近く質問責めにあいました。特に荷物について、渡航目的、現地に友人がいるかどうか。

 

過去に日本赤軍を名乗る日本人がイスラエルの空港で乱射事件を起こしたことがあり、そのためなのか。前にいた日本人の方も長い間、尋問にあっていました。

 

渡航当時、私は英語があまりわからなかったので、これには少し困りました。もし渡航されるのであれば、渡航の目的について詳しく説明できるようにしておいた方がいいと思います。

 

ちなみに、エルサレムは英語ではジュルーサレム (Jerusalem) です。どこからエルサレムが来たのかわかりませんが、この発音では現地で確実に通じないので、注意してください。

 

色々言いましたが、

 

それでも、エルサレムは市街地自体が世界遺産に認定されているだけあって、

 

街全体の雰囲気がとても独特で、ヨーロッパやアジアにはない神聖さが漂っており、空港から出て街に出れば、そこはひとたび異空間です

エルサレムの景色

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