よく聞きますよね。
インドに行けば人生観が変わるって。
でもそれってどうなんですかね。他にも、インドがめっちゃ好きになるか、はたまた、めっちゃ嫌いになってインドから帰ってくるかのどちらかになるとか。
かの文豪三島由紀夫もこんなことを言っておりました。
「この世の中には、二種類の人間がいる」
「それは、印度に行った人か、そうでない人か」
とまぁ色々インドにまつわる話は行ったことがない人でも、一度ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?
そこで、今回は約5年前に行ったインドでのことをお話して、少しでもインドを知ってもらって、
行きたい人にはとことん行きたくなってもらって、行きたくない人にはもっと行きたくなくなるような情報を提供しようと思います。
では、早速
いざインドへ出発
インドへの旅行は移動も含めて約5日間で、大学時代の友人2人との旅行でした。
ちなみにこの旅行の前に生まれて初めての海外旅行でイギリスに行き、一人でまともに英語もしゃべれないのに意外となんとかなっちゃって。そこから調子に乗って、おれは一人でどこにでもいける。と思うようになり
気付いたら、なぜかインドへ行きたい欲が沸々とこみあげ、友人を誘って行くことになりました。友人二人も既に、海外に行ったことあったので、インドとはいえ、多少のことはなんとかなるだろうぐらいの気持ちでした。
そして、現地の宿も鉄道も取らずに意気揚々と僕たちは日本を旅立ちました。
僕たちのフライトは、深夜便(確か往復で5万円ぐらい)で上海から乗り継ぎを経てインドの首都のデリーに着いたのは真夜中前だったと思います。沢山のお手が出迎えてくれます。
インドに到着
無事に入国を終え、ゲートを出ると
むわっした辛味と甘味が混じったような匂いがしました。
あぁーこれがインドの匂いのなのかと。
初日ということもあり、浮き出す気持ちが抑えられなくなりそうでした。
早速僕たちはニューデリー中心街でホテルを探すため、デリーへの交通手段を考えたのですが、時間が真夜中だったので、もう公共交通機関は営業しておらず。街まで出るには、タクシーしか残っていませんでした。
ただ、いくら調子に乗ってたとはいえ、インドのタクシーはぼったくられるとか特に流しのタクシーは気をつけろとか、大体メーターは壊れている、さっきのは一人分の料金だから3人分払えとか、行く前にある程度の情報は知っていました。
ただ、その中途半端に知ってるという気持ちがかえって、過剰な自信に繋がっていることに、後から気づくことになります。
危ないから空港で朝まで待って公共交通機関を利用するか、それとも、外でタクシーを拾うか。
中国からの乗り継ぎもあって、3人ともそれなりに疲れていて、もしホテルがすぐ見つかるのであれば、明日に備えてゆっくり休めるということもあって、とりあえず外でタクシーのにいちゃんに声をかけることにしました。
タクシーで市街へ
「デリーの中心街までいきたいんやけど、なんぼ?」
「100ルピー。100ルピーだよ」
「それって3人で?」
「そうだよ、にいちゃんたち」
確か300円ぐらい、安い。これは安い。ただ相場がわからないので、念のため他の人にも聞いてみることにしました。
他の人は150とか200ルピーとか言ってたと思います。
あっやっぱり最初の人が安かったんだ!と思いさっきのにいちゃんの所に戻って、
「100ルピーだよね?」
「イエス、いえす、No problem!」
友人たちと相談し、このタクシーに乗ることにしました。タクシーの運ちゃんとは別にもう一人いて、その人がみんなの大きい荷物を後ろに積んでくれ、そして、空港から出発しました。
というか、暑い。空港から出て、汗が止まらない。真夜中とはいえ、僕たちが行った4月末~5月はインドの真夏だ。
車内にはクーラーはついておらず、そのためかすべての窓が全開に開放され生ぬるい風が強く、車内に入ってきた。
あまり詳しい場所を伝えていなかったので、ニューデリー駅までの地図を見せ、一応確認した。ただ空港からのタクシー運転手に、街で一番大きな駅への行き方を説明する時点でよく考えたらおかしい気もするが。
なかなか着かないタクシー
しばらくしてから、運ちゃんが「駅はもう閉まってるし、危ないからいけない」と言い出した。
出た。インドでよくあるやつ。
こっちはお前の魂胆ぐらいわかっとんで。普通に無視して、とりあえず駅に行ってくれとお願いする。
今度は
「危ないから今から連れていくホテルに泊まればいいよ」
はぁ?でたでた
いや、だから駅行ってって、マジで、お願い!
「わかったわかった、もっかい地図みせて」
しょうがないから、ガイドブックを再度開き、駅への地図をページを見せた状態で、駅に行かないなら降りるでっ!
そこからしばらく進んで、なんか薄暗いところで徐行し始め、車が停まったと思った瞬間
いきなり誰かが、車に近づいてきて僕たちが座っていた後部座席の窓に手を突っ込んでき、僕が持ち上げていたガイドブックを奪い取っていった。
一体に何が起こったのかわからなかった。
そして、運転手は言った。
「降りたきゃ降りろ、ここで」
僕らはなにも言えなかった。ただ単純に怖かったと思う。
まだ終わらないニューデリーの悪夢
程なくして、あるところで降ろされた。それは、彼らが言うホテルの前だった。
そして荷物を返してもらったところで、やっぱりここには泊まらんと突っぱねて、また押し問答。
じゃあ他に安いところがあるから、そっちにしろといってくる。そこらでは、狂犬病にかかっててもおかしくない野良犬たちが吠えている。
こいつらもグルか。
しばらく、泊まらないと言っていたら、今度は屈強な仲間たちが何人か現れ
「Go」
仕方なくあきらめ、今度はトゥクトゥクの後ろに三人で乗り彼らの言う別のホテルに向かうことになった。ちなみにトゥクトゥクには窓はおろかドアもない。
そこで、僕は言った。逃げよう。と一応友人たちも了解してくれ、
信号かなにかで停まった際に
よし、いまぁああま!!
といって一斉に降りて逃げた。
いや、逃げれなかった。降りてすぐに、ホームレスみたいなのが襲い掛かってきた、暗闇に溶け込むような肌を持った奴らの気配に、降りるまで気付かなかった。
すぐに、また乗っていたトゥクトゥクに戻ったが、そいつは隣に戻ってきた友達に蹴りを入れてきたと思う。逃げようと言っといて、真っ先に戻ってごめん。友達。
カモフラージュかわからないが、そいつは運転主にまで蹴りを入れてた。
なんて怖い街だ。いやだ、こんなとこで死にたくない。
ホテルに着いた。
仕方なくチェックインしようとしたが、一応ホテルの部屋を先に見せてと頼んだ。
そして2人のホテル従業員と狭っまいエレベーターに乗り、2階の部屋に部屋見せてもらっているとき
ない、ない
あれ、財布が、ポケットにあった財布が
このホテルに入ったときはあったのに
あれ、まじで、mじかああ
あっ、さっきのエレベーター!僕の後ろには従業員がいた。
絶対間違いない!絶対あいつや
返してと言ったが知らんの一点張り。「盗んだって言わんから、返して!」「知らん。」
さすがに心が折れた。
1日目にして全財産とクレジットカードやらカード類が消えていった。
翌日に警察署で飲んだ初めてのチャイは忘れられない味となった。