この写真は中国・上海の外難 (ワイタン) エリアから撮ったものになります。今回は乗り継ぎ (トランジット)で訪れた上海で僕が遭ったお茶詐欺についての話をシェアします。
上海を訪れる方には、是非知ってほしい内容です。また、訪れる予定がない人も海外で起こる詐欺の一例としてみてもらえればと思います。
中国茶詐欺 in 上海
以前アンコールワットを見にカンボジアに行った際に、上海経由だったのですが、帰りの日本の便まで7時間程あり暇を持て余していました。
そんなときに近くにいた同じカンボジアからの便だった日本人の女の子が観光案内のカウンターでしきりにおいしいお店はどこにあるの受付の人に聞いていたのをみて、少し街観光に興味があった僕は、戻ってきた彼女に街のことを聞いてみることにしました。
すると、彼女は外難エリアにおいしいお店があるらしいということを教えてくれました。そこで、僕も街に繰り出すことに決めました。カウンターで地図だけもらい、外難というエリアを目指すことにしました。
世界最速のリニアモーターカー?
いくら時間があるといっても、下調べすら一切しておらず全く知らない街なので、あまり時間をかけて市街地まで行くのは、少しリスキーだな。と思っていると市街地まで空港 (浦東空港) から早く行く方法として磁気浮上式鉄道というものがあることを知りました。
どうやらそれは、リニアモーターカーのことでした。最高時速はなんと431km/時。市街地まではたった8分、ということでこれに乗って、上海の市街地に向かいました。
ちなみに料金は片道50元(約800円)往復だと80元(約1300円)。揺れは全くなく、非常に快適な乗り心地でした。
いざ外難エリアへ
空港から龍陽路駅という市街地の駅に着きましたが、まだ目指す外難から少し距離があったので、そこから地下鉄に乗ることになりました。
ただ自動券売機で切符を買おうにも、やり方がわからず手間取っていると後ろにいた40代ぐらいの男性からおそらく中国語で「何やってんだ、どけ」的なニュアンスのこと言われ、後ろから割り込まれた挙句罵声まで浴びせられました。仕方なく窓口まで行って切符を購入。
上海は国際都市といわれていますが、簡単な英語でもわかる人は1割もいないと思います。もしくは、英語なんか話す気がないか。なので上海では、簡単な中国語ぐらいは知っておいたほうがいいかもしれません。
ついに外難エリアに到着
何はともあれ、目指す外難エリアに到着。写真には映っておりませんが、そこら中に中国の国旗が掲げられていました。国際化が進んだとはいえ、まだまだ強い中国共産主義の香りを感じました。
そして、いざ着いて店を探してみると午前中だったためか、営業しているお店が少なくなかなかお店に入れずにいました。
そんなときに、20代らしきカップルに話しかけられました。おそらく最初は中国語だったと思いますが、こちらがわからない素振りを見せると「take a picture?」と英語で写真撮影をお願いしてきました。
なんとも二人とも田舎から出てきたあか抜けない感じの雰囲気ということもあり、快く写真撮影に応じてあげました。そのあと、旅行中なの?っと彼らは英語で聞いてきました。
そうです。と答えると「私たちもそうなの」って言って、少し雑談を交えたあと、彼らに近くで開いている美味しいレストランはないかと聞いたら、知ってるから連れて行ってあげるとのこと。彼らについて行くことにしました。
中国人カップルとお店へ
そういうわけで、彼らとお店に向かうことに。そのときは小籠包や餃子が食べたいと彼らに伝えると、そういうお店は今は開いていないかもというので、仕方なく、彼らのいうお店に向かうことになりました。
それにしても、彼らとの会話はとても楽しく拙い英語でこんなにも会話できるんだと思いました。日本についての話をたくさんしました。なんか外国で初めて友達ができたような感覚でした。気取らず、日本のことも良く知っており、さっき切符を買うときに罵声を吐いてきた男性とは違い、なんて親切な人たちだと思いました。
道中どんな店に向かっているのと聞くと、中国茶のお店に向かっているとのこと、正直飲み物よりも食べ物が良かったのですが、せっかく彼らが薦めてくれているので、何も言わず付いて行きました。
10分ぐらい歩くと、何やら雑居ビルのような場所に着きました。なんか知る人ぞ知るお店なのかなという感じでした。あとなぜか、ビルの入り口にはスーツをきた人が立っていました。
本場の中国茶を試飲
ビルに入るとエレベータに乗って、その後個室に通され、「うわ高そうな店、これ大丈夫か?」と思い、彼らに「あんまりお金がないんだけど、大丈夫?」と聞くと、安いし僕らも払うから大丈夫だよとのこと。
そして写真の撮った位置に座ると目の前にチャイナドレスを着た女性が現れ、中国語で中国のお茶の作法や歴史に説明しながら、色んな茶葉で入れてくれたお茶を出してくれました。
勿論、中国語はわかるわけないので、カップルの二人が英語で訳しながら説明してくれました。
これ詐欺じゃね?
ただやっぱり、途中で値段に関することを聞くと妙にはぐらかしてくるので、さすがに怪しいと感じるようになり、もう帰らないといけないこと伝えると最後に今まで試飲したお茶の中からどれかお土産が買っていかないといけないとカップルの男が言ってきました。
どれもいらないと伝えると、さっきお茶を無料で飲んだのに、それはダメだと言ってくる。「僕たちも一緒に払うから」と。提示された金額3000元。これは日本円で約5万円。割り勘したとしても2万5千円。
馬鹿げている。どう考えても詐欺だ。支払いを渋ると、露骨にカップルの態度は悪くなり、お前はカードも持っていないかと迫ってくる。
確かにお茶を飲んだのも事実だし、嘘か本当かわからないとは言え中国茶の歴史や作法について教えてもらったので、とりあえず日本円で3000円だけ払いました。
ただ彼らは納得せず、なかなか帰らしてくれなかったのですが、さすがに帰りの便を逃すわけには行かないので、「I'm going back to the airport」とだけ告げ何も聞かずに荷物を持って、部屋を出て階段を降り雑居ビル出ました。
入口にはまだスーツ姿の男が立っており、少し怖かったですが、気にせず堂々とビルを出て駅へと向かいました。正直、めッちゃビビっていましたが、走ると逃げているように見えるので、気丈に振舞っていました。
なんとか駅に着くと、あとは来た道を戻るようにして空港へ向かいました。
無事に日本に到着
帰りの便にも、難なく間に合い無事大阪に着いたときに、上海空港で会話を交わした女の子とまた出会い、詐欺に遭ったことを話すと、なんと彼女も同じような所に連れていかれたとのこと。
彼女は日本円で1万近く払ったと言っていました。正直、彼女はしっかりとしていて自分の意見もはっきりいいそうなタイプの子だったので、そんな子ですら騙されるのかと思いました。
少ない統計ではありますが、自分と彼女を含めると詐欺遭遇率100%。二人とはいえ、たったの数時間街に繰り出しただけで、起きた出来事なので、上海の市街地では高確率でこの詐欺に遭遇することは間違いです。
改めて、ネットで「上海 詐欺」と調べると同じような体験をされた方が多くいました。他の方も書かれていたように、カップルの持つ素朴感や日本についても良く知っていることから、全く人を騙そうとする気配を感じさせませんでした。話すきっかけになったのも写真撮影からだったので、不自然さもなかったです。
情報を知らなければ、どんな人でも騙されることがあるんだなと、この旅では学びました。
皆さんも上海に行く機会があれば素朴なカップルには気を付けてください。基本的に、上海にいる中国人は冷たいので、親切であれば何かおかしいと思ったほうがいいです。
その後また現地に訪れることがあり、そのときに道に迷い、ある中国人の方がタクシーを呼んでくれ中国元を持っていなかった僕のために料金まで払って助けてくれたのですが、その方は、上海出身ではなく別の地方から上京してきたと言っていました。
そのことからも、中国人の全員が悪い人ばかりではないとも感じました。
これが僕が上海で実際に遭った出来事です。
以上の情報が皆さんの安全な海外旅行のために役立てば幸いです。