今回は日本人にとって発音の区別が難しく似ている3つの単語を取り上げながら、基本的な母音発音の仕方をわかりやすく説明します。
① Cup (コップ) ② Cap (帽子、ふた) ③ Cop (警官)
皆さんは、カップという言葉を聞いて上記のどの単語を指すと思いますか。
多くの方は、①のCupを想像されたのではないでしょうか。
発音的にいうと、ほぼ正解です。この単語が発音では日本語のカップに一番近いです。
では、残りの2つの単語はどう発音するでしょうか。一つずつ発音記号も見ながら、詳しく発音の仕方を説明していきたいと思います。
①Cup (kˈʌp) 発音記号ʌ
これは日本語で言う母音「あ」にかなり近いです。なので何も意識しなくても、比較的近い音が出ているはずです。ただ少し違いもあるので、他の発音ともはっきり区別できるように細かく説明します。
重要なのは口の開け方と喉の使い方です。
日本語で普通に あ と発音すると口を比較的大きく開けて発音すると思いますが、この場合は全開の口の大きさに対して3~4分の1(1~2センチぐらい)で
小さめに口を開けて、
喉仏の近く(前側)で発音する。
もし口を大きくあけていると、喉というよりは、口の奥側が響くのがわかるはず。開ける口幅を狭くすると、もっと下の喉仏の近くで発音できると思います。
喉の部分に関してはやや感覚的なところもあるので、もしわかりにくく感じたら単に口を小さめに開け、低い声で発音するようだけでもかなり近い音になります。
最後のPの音は、単に日本語で プっと発音するのではなく、もう少し歯切れよく発音します。普通に プっと発音すると唇がタコみたいになると思いますが、そうならないように発音しなければなりません。
日本語で パ を発音する要領で プ っという音を出そうとすれば、近い音が出ると思います。
ちなみに、ストレスがある母音のスペルがuのときに、この発音になることが多いです。
いくつか同じ母音の単語をあげておくので、参考にしてみてください。
buck,bus,buddy,duck,hungry,hut
②Cap(kˈæp) 発音記号æ
これは、アメリカ発音で特に強調される母音です。音の出し方は、
日本語の「あ」と「え」の組み合わせたような音を出すようにする。
口は開け方は「え」の時に近くに、もう少し口を横に開ける感覚を意識すると、出しやすいと思います。
Pの部分の発音さっきと一緒で、パの発音の要領で、プッと発音するように心掛ければ大丈夫です。
ストレス母音のスペルがaときに、この発音になることが多いです。
同じ母音を含む単語
back,map,sad,hat,sack,bag
③Cop(kάp) 発音記号ά
これは多くの人がコップと発音しがちですが、意外にも発音はどちらかというとカップの方が近いです。
ただ上記2つとは決定的に違うのが、口の開け方。
これは口を縦に開けることを意識するのが大事です。
日本語で オ と発音すると口をすぼめると思いますが、そうするのではなく、日本語の ア の発音要領で オ を言うとすると近い音が出ます。Pの発音は、今までの要領と同じです。
ストレス母音のスペルがoのときに、この発音になることが多いです。
同じ母音を含む単語
hot,pot,top,rock,lock
ちなみに、多くの日本人が警察というとPoliceという単語を想像されると思いますが、一般的に会話では、copの方が圧倒的に使用頻度は高いです。
私たちも街中でそういう人たちを見かけたら、「うわっ。警察(cop)や」「あそこ、警察おるわ」
っていいますよね。その感じのニュアンスに近いと思います。
Policeというと「警察官たち」
Policeman で「一人の警察官」
日本語でも、官がつくだけでなんとなくニュアンスが違いますよね。ただ、「警察に連絡する」という時は"call the police"というのが一般的です。
少し脱線しましたが、上記で説明した3つの母音は英語発音において非常に重要です。
他にもいくつか母音はありますが、発音の仕方にそこまで注意しなくても、発音を聞いただけでも発音の仕方がわかりやすいものが多く、ただ音だけ覚えれば、すぐに発音できると思いますが、この3つの母音は発声の仕方を意識しないと発音の区別は難しいと思います。
まず、この3つ母音をマスターすることが発音の基本になると思います。
以前にも似た発音に関する記事をアップしているので、よかったらそちらもどうぞ。